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全国初のPPP(公民連携)事業手法による
大阪府大東市・市営住宅建替プロジェクト
大東市公民連携 北条まちづくりプロジェクト
Overview
「morineki」は大東市が市営住宅の建て替えを民間主導の公民連携型で進めた国内初のプロジェクト。都市公園を含む本事業地区では市の借り上げ住宅以外にテナントとして民間企業のオフィス、店舗を誘致し、市営住宅住民のみならず多様な利用者、来訪者にとって活発な活動と賑わいの場を創出し、持続性ある街づくりを実現している。
<事業概要>
住所:大東市北条3丁目1番1号
事業主:東心株式会社
敷地面積:約7,850㎡(都市計画公園部分 約 3,100㎡は除く)
延床面積:約5,270㎡
構造:木造 平屋~3階建て
総事業費:約16億円(都市計画公園の整備費は除く)
竣工:2020年11月
Issue
・高齢化率の高さ
・空き家の点在
・子育て世代を中心とする人口流出
大阪府大東市北条エリアは生駒山系飯盛山の豊かな森と権現川の清流が寄り添う地域で、東高野街道筋に形作られた歴史のある農村集落である。大東市内の他の地域よりも10ポイントほど高齢化率が高く、空き家が点在し、子育て世代を中心とした人口流出により地域の魅力低下や地域経済の低迷を引き起こしていた。整備前には昭和40年代に建てられた市営住宅があり、住民の高齢化や建物の老朽化のため建て替えが検討された。
Before
Solution
プロジェクトの初期段階で
グランドデザインを構築することで
「共感」の連鎖を生み出す
Point 1
地域に点在する公的資産を活用し、一体的・段階的にエリアの開発を進めていく「北条まちづくりプロジェクト」を発足し、グランドデザイン「北条の樹」を構築した。
その第一段階である「morinekiプロジェクト」では北条エリアを良好な住宅地として再生し、新たな定住人口を呼び込むため、老朽化した市営住宅の建て替えのみならず、都市公園や道路、橋梁、河川の風辺環境を含めて再生した。
「北条の樹」という自然と共生しながら育む暮らしのビジョンは、アパレルメーカー「ノースオブジェクト」や交野の里山を拠点とするトレイルランのショップ「ソトアソ」の企業理念と合致し共感を得ることとなり、その後の設計フェーズから竣工、入居に至るまでのまちづくりのプロセスをともにした。
Grand Design
権現川の恵みから、
実り多き大樹を育てる 「北条の樹」
権現川の恵みを受けて、飯盛山へ力 強く伸びていく「北条の樹」。
地域内の歴史的生活動線、市道北条12号線を地域の「幹」ととらえ、さまざまな地域内アクティビティが育つイメージです。
後背には緑豊かな山々が連なり、都心に近いにも関わらず、駅から数分でトレッキングやトレイルランを楽しむことができます。地域内に点在する遊休資産には各特徴を活かした「北条の樹」の果実がこれからも続々と生まれます。北条地域はライフスタイルに合った多様な働き方を叶えるまち。
公民連携事業スキームを用いる、
地域全体が発展するためのまちづくり
Point 2
公民連携事業スキームを用いて、地域全体が発展するためのまちづくりを実現。民主導で資金調達から建築、所有、運営まで一貫して行うことで、明確な事業展望のもと、採算性と透明性を担保した持続的なまちづくりが可能となる。市営住宅は戸数を半減させ、将来住民が代替わりした段階で全戸を民間賃貸住宅へと切り替えていく。
公営住宅の建て替えには国の補助金を利用するのが一般的だが、本計画の建設には補助金を用いず、市の出資6億円と銀行融資約10億円を資金として初期投資に充てた。国の補助金を使った市営住宅の建て替えでは、デベロッパーによる高層RC造にして戸数を増やすことが一般的だ。しかし、この方法では住民は地域から孤立し、地域全体の価値を上げることはできない。縮退の時代、公営住宅には余剰の住戸が発生することが予想されるが、自治体が直営で行えることは限られてしまう。
事業スキーム
様々な人びとが繋がるきっかけとなる
「曖昧な境界」のデザイン
Point 3
市営住宅、テナント、都市計画公園と3つの敷地に分かれていながら全体が公園のように連続する。住宅棟は切妻屋根の木造低層の分棟が中庭を挟んで向き合う配置とし、ガラスの引き戸によって高齢の入居者の生活は開かれ、玄関ポーチはコミュニケーションの場となる。店舗棟は高さの異なる低層の建物を雁行させることで、小さな商店の連なりのように見えるよう配慮した。これらの木造低層の建物群は周辺の街並みや借景とした生駒の山並みと調和する。
住宅エリア
中庭に面したポーチから引き戸を開けるとそこにはリビングがあります。訪れる人を迎え入れるようなつくりの木造の民間賃貸住宅(74戸)です。
民間事業エリア(テナント)
レストラン、アウトドアショップ、ベーカリー、アパレルショップなどが軒を連ねます。2階は株式会社ノースオブジェクトの本社事務所となり、ここで新たな事業やデザインが生まれます。
公園エリア
もりねき広場は、自分らのスタイルで大切な人との豊かな時間を楽しむための、「環境の器」としてデザインされた芝生広場です。権現川のきれいな水に親しむことができる親水空間を計画しています。
業務内容
エリアビジョン作成
グランドデザイン作成
クリエイティブディレクション
建築 設計監理
都市公園 基本設計
Role
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